分離技術会年会2022の企業奨励賞は、各企業の審査員様の選考により、以下の学生が受賞されることとなりましたのでお知らせします。

2022年11月21日
分離技術会年会2022 実行委員会

東洋エンジニアリング株式会社
S1-1 プロトン性イオン液体のガス吸収特性とCO2/CH4選択性の評価 (日大院・工)鈴木 祐輝
選考理由:本研究は、新しい酸性ガス吸収溶媒として期待されるイオン液体に関する実験的な研究である。個々の物質に起因する溶解度に対するエントロピー効果項とエンタルピー効果項を測定データから算出し、吸収溶媒としてのイオン液体分子設計に対する指針を与えている。口頭試問においても適切に対応しており、好感を持った。今後の研究のさらなる進展を期待して、奨励賞(東洋エンジニアリング賞)選考理由とする。
 
関西化学機械製作株式会社
S2-2 CO2化学吸収プロセスの省エネルギー化に向けたH2ストリッピング再生の速度論的評価 (名大院・工)小林 駿介
選考理由:昨今、特に日本国内で注目を集めているCO2に関する問題に対して、独自のモデルを構築し、適切なシミュレーションと評価方法を実施している点を選考理由としました。得られたデータから、省エネ化に向けての考察・検討をしているという点においても今後の展望に期待しております。
 
リファインホールディング株式会社
S7-P1 高温ガス分離用シーリング材の開発 (芝工大院・理)永澤 花夏
選考理由:ハウジングと膜の接続に使用する従来のO-リングは、処理対象や温度に合わせた材質が必要であり、膜1本につき1個必要なため、膜の本数が多いと意外なほど高額となることがありました。メンテ毎の交換時にもこの費用が発生します。本発表のガラスシーリング材はこれらの課題を解決できると考えられ、実用化に期待して、奨励賞に選考させていただきました。
 
株式会社三進製作所
S6-P3 直流電場とボイコット効果を併用した連続沈降濃縮装置の開発 (法政大院・理工)小池 風輝
選考理由:化学薬品を未使用で分離効果が得られる沈降分離に関する研究である.直流電場を用いて分離効率を高めており,電極の配列によるスラリーの粒度分布の違いなど確認し,効率の良い方法を見出している。実現できれば、再資源化の広がりに期待ができる.本研究への取り組みに前向きな姿勢を感じ、奨励賞にふさわしいと判断した.今後の更なる研究開発に期待します.
 
東亞合成株式会社
S4-P2 疎水性イオン液体を浸出溶剤として用いた自動車触媒からの白金族金属リサイクル (九大院・工)神園 麻裕
選考理由:自動車触媒に用いられる白金族金属は資源量が限られておりリサイクルが必要であるが、回収には酸廃水の発生や揮発性有機溶剤が必要という課題があった。それに対しイオン液体に酸化剤と有機酸を適切な組成で加えることで環境負荷の低い回収法を見出した。また、ポスターでの説明・質疑も適確であり、他の学生の模範となるものであった。